ビスケットの仲間たち
どんな仲間がいるのかな?
総称してビスケット類と呼ばれる仲間には、ビスケットのほかに、クラッカー、乾パン、カットパン、プレッツェル、パイ、またはこれらの加工品があります。
これらのビスケット類は、小麦粉を主原料として練った生地を成型して焼くという点が共通しています。乳製品や卵、糖類、食用油脂など使用される副原料の組み合わせは種類によってさまざま。
必要に応じてチョコレートやナッツ、健康づくりのための胚芽やプロテイン、乾燥野菜、カルシウムなども使われます。
ハードビスケット
~歯ごたえしっかり、針穴が特徴~
比較的グルテンの多い中力小麦粉を使います。
砂糖や油脂を控え、水分を多めに、時間をかけて練るとグルテンが形成されて腰の強い生地が仕上がり、これを薄く焼きます。
割ってみると、平均的できめ細やかなきれいな組織が見えます。
火ぶくれができないように、ガス抜きの針穴があるのが特徴。
パリッとした歯ざわりがあります。
ソフトビスケット(クッキー)
~口あたりがさっくり~
グルテンの少ない薄力小麦粉を使います。
砂糖や脂肪を多く、水分を少なめに配合して、短時間で練って焼き上げます。柔らかく、サクサクした歯ざわりで、クッキーもこれに含まれます。
原料の配合の加減でかたさはいろいろ。
成型法によってさまざまな形が作られます。
伸ばした生地をカッターで抜くソフトカッティングビスケット(エンボス)、彫刻した型にややかための生地をつめて成型したロータリー・ビスケットなど、5つの成型法があります。
クラッカー
~パーティーやスナックに~
イーストを使って発酵させた生地を、高温で短時間に焼き上げます。
軽い口あたりが特徴です。副原料に少量の糖類、脂肪、重曹などを使い、塩をふりかけて焼くソーダクラッカーや、2枚の生地の間に油脂をはさんで作るクリームクラッカー、チーズやバター、ゴマ、スパイスなどを入れ、オイルをスプレーしたスナックタイプのクラッカーなどがあります。
乾パン
~保存食に便利~
発酵した生地を成型してから、温度・湿度の高いホイロの中で再び発酵させ、ふくらんだところを焼き上げます。
中の組織は、フレーク状のクラッカーと違って、パンのような蜂の巣状。
糖類や脂肪などの副原料が少なく保存性が高いので、携行・保存食や非常食として利用されています。
また、水分が多くパンに近い状態に仕上げたものをカットパンといいます。
パイ(パフ)
~サクッとした層がおいしい~
小麦粉の生地の間に油脂を入れ、生地と油脂が交互になるように幾重にも折りたたんで、伸ばして成型・焙焼します。
バターやマーガリンで特徴づけしますが、表面をジャムなどで加工することもあります。
米国では、ケーキやソフトビスケットにマシュマロやクリームを入れたお菓子も、パイと呼ばれます。
また、パイの仲間には、つめ物をしたアップルパイやミートパイもあります。
プレッツェル
~おいしそうな光沢~
強力小麦粉を使って、副原料の少ない生地をスティック状に押し出して成型します。
成型したものをアルカリ性の湯に通し、表面を糊化して焼かれるため、食欲をそそる光沢と独特の風味がでます。
加工品
~さまざまなおいしさ~
ビスケットやクラッカー、パイの加工品には、クリームサンドに代表されるように、クリームやジャム、マシュマロなどをはさみ込んだサンドタイプのものや、表面に、チョコレートや砂糖、卵白、油脂などを塗った変化のある味を楽しめるものがあります。